ギフトショーで仕入れ先と商談するときは、まず4つを聞きます。「最小発注数と掛け率」「ネット販売をしてよいか」「商品の画像や説明文を使ってよいか」「納期と欠品のときの扱い」です。
この4つは、帰ってから聞き直すと返事が遅れたり、話がずれたりしやすい項目です。
展示会の会場は人が多く、ゆっくり話せる時間は限られます。
気になる商品が見つかっても、名刺とカタログをもらって終わることがよくあります。
あとで連絡すると「ネット販売はお断りしています」「画像はお貸しできません」と言われ、仕入れをあきらめることもあります。
この記事では、楽天市場・Amazon・Shopify・TikTok Shop で売る事業者向けに、商談で聞くことを質問リストにまとめました。準備のしかた、聞き方、帰ってからの確かめ方まで順に説明します。

ギフトショーの仕入れ商談で聞くことは4つに分けて考える
質問はたくさん思いつきます。ただ、全部を思いつくまま聞くと、大事なことを聞き忘れます。
そこで、聞くことを次の4つのまとまりに分けておきます。
- 取引の条件:最小発注数(一度に注文しないといけない最低の数)、掛け率(定価に対する仕入れ値の割合)、支払いの方法
- 売り方の条件:ネット販売をしてよいか、どのモールならよいか、値引きしてよいか
- ページづくりの素材:画像・説明文・JANコード(商品につける共通の番号)をもらえるか、使ってよいか
- 物流と困ったときの扱い:納期、送料、欠品、不良品、返品
ネットショップの場合、とくに大事なのは2つめと3つめです。
実店舗向けの卸を前提にしている出展者も多く、ネット販売だけ条件が違うことがあります。
この2つは、カタログや価格表に書かれていないことが多い項目です。その場で口で確かめます。
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商談の前日までに準備しておくこと
会場で慌てないために、前日までに次の3つを用意します。
STEP 1 自分の店の紹介を短くまとめる
出展者は「どんなお店か」を最初に知りたがります。
次のことを、ひと息で言えるように紙やスマホのメモにまとめておきます。
- どのモールで売っているか(楽天市場、Amazon、自社サイトなど)
- 主に扱っている商品のジャンル
- お客さまの年代や、よく売れる場面(贈りもの、自宅用など)
名刺には店名と、売っているモールを書いておくと話が早く進みます。
STEP 2 質問リストを紙に印刷する
この記事の質問を、自分の店に合わせて削ったり足したりします。
そのうえで、ブースごとに書き込める形で印刷しておきます。
スマホのメモでもかまいません。ただ、会場では片手がふさがりやすく、紙のほうが書き込みやすいという声もあります。
STEP 3 自分の店で売れる条件を先に確かめる
出品できるかどうかは、モールの決まりにもよります。
- 楽天市場:扱えない商品や表示の決まりは、RMS の画面とガイドで確かめてください。
- Amazon:ブランドやカテゴリーによって出品に許可がいることがあります。セラーセントラルのヘルプで確かめてください。
- Shopify:自社サイトでも、法律で決められた表示は必要です。設定は Shopify の管理画面・ヘルプセンターで確かめてください。
- TikTok Shop:日本で始まって日が浅く、決まりが変わりやすいモールです。TikTok Shop のセラーセンターで、その時点の決まりを確かめてください。
化粧品・食品・電気製品など、表示や届け出の決まりがあるジャンルは、とくに先に調べておくと安心です。
取引の条件を確かめる質問(最小発注数・掛け率・支払い)
まずはお金と数の話です。ここがあいまいだと、利益の計算ができません。
聞くことのリスト
- 最小発注数はいくつですか。色やサイズを混ぜてもよいですか。
- 掛け率はいくらですか。初回と2回目以降で変わりますか。
- 追加注文のときも最小発注数はありますか。
- 送料はどちらが持ちますか。送料がかからなくなる条件はありますか。
- 支払いは前払いですか、月末締めの後払いですか。
- 展示会だけの条件はありますか。いつまで有効ですか。
確かめ方
答えはその場でリストに書き込みます。
そのうえで「あとで見積もりを文書でいただけますか」とお願いします。口で聞いた条件は、あとで食い違うことがあるからです。
帰ったら、見積もりの仕入れ値に送料とモールの手数料を足して、売値から引きます。手数料はモールごとに違うので、それぞれの管理画面で確かめてください。
よくある失敗
- 掛け率だけ聞いて、送料を聞き忘れる。小さな注文では、送料で利益がなくなることがあります。
- 最小発注数を「1商品あたり」と思っていたら「1色あたり」だった。在庫が思ったより増えます。
- 展示会だけの条件に期限があるのを知らず、注文が間に合わない。
ネット販売の可否と売り方の条件を確かめる質問
ネットショップにとって、いちばん大事な確認です。
出展者によっては、実店舗の取引先を守るために、ネット販売を断っていることがあります。
聞くことのリスト
- ネット販売をしてもよいですか。
- 楽天市場・Amazon・自社サイト・TikTok Shop のうち、どこならよいですか。
- Amazon では、ほかの店がすでに同じ商品を出していますか。メーカーとして出品していますか。
- 定価より安く売ってもよいですか。セールやクーポンの対象にしてよいですか。
- ライブ配信や動画で紹介してよいですか。
- 決まった地域やモールで、独占して売れる(ほかの店に卸さない)条件はありますか。
確かめ方
「ネットは大丈夫です」と言われても、それで終わりにしません。
「どのモールでも大丈夫ですか」と、モールの名前を一つずつ出して聞きます。モールによって可否が違う出展者もいるからです。
帰ったら、各モールでその商品名やJANコードで検索します。すでに誰が、いくらで売っているかを見ます。
同じ商品を多くの店が売っていると、値下げ競争になりやすくなります。仕入れるかどうかの判断材料にします。

よくある失敗
- 値引きの決まりを聞かずにセールに出し、仕入れ先から注意を受ける。
- Amazon で、すでにメーカー自身が出品していることを知らずに仕入れる。
- ライブ配信での紹介が禁止だったと、あとから知る。
画像・説明文を使ってよいかを確かめる質問
商品ページをつくるときに困るのが、画像と説明文です。
仕入れ先の画像を勝手に使うと、トラブルになることがあります。商談の場で、使ってよい範囲を聞いておきます。
聞くことのリスト
- 商品の画像をいただけますか。どんな形で受け取れますか。
- その画像をモールの商品ページに使ってよいですか。
- 画像の切り抜き、文字入れ、背景の変更をしてよいですか。
- 自分たちで撮り直してもよいですか。サンプルを借りられますか。
- 説明文、素材、サイズ、原産国、使い方の情報をいただけますか。
- JANコードはついていますか。
- 広告やSNSの投稿にも画像を使ってよいですか。
確かめ方
画像は、もらえるかどうかだけでなく「何に使ってよいか」を分けて聞きます。
商品ページはよいが広告は不可、という場合があるからです。
答えは、あとでメールでも確かめておきます。「先日の商談で、画像を商品ページと広告に使ってよいと伺いました」と書いて送り、返事を残しておきます。
素材や原産国などの情報は、商品ページの表示に必要です。もらった資料と、商品のタグやパッケージを見比べて、食い違いがないかを確かめます。
よくある失敗
- 仕入れ先の画像をそのまま使い、ほかの店と同じページになってしまう。検索結果で見分けがつかず、選ばれにくくなります。
- 画像の加工が禁止だったのに、文字を入れてしまう。
- サイズや素材の情報がなく、ページに書けないまま出品が遅れる。
ほかの店と差をつけたいなら、撮り直してよいかを聞いておく価値があります。使う場面や、手に持ったときの大きさがわかる写真は、仕入れ先の画像には少ないことが多いからです。
商談のあとにやること(記録・見積もり・物流の確認)
会場でたくさんのブースを回ると、どのブースで何を聞いたか、すぐにわからなくなります。
その日のうちに、次の順で整理します。
STEP 1 名刺と質問リストをまとめる
もらった名刺を、書き込んだ質問リストの紙に留めます。
カタログの気になったページには、ふせんを貼っておきます。

STEP 2 聞き忘れた項目を洗い出す
リストの空いている欄を見ます。とくに次の項目は、会場で聞きそびれやすいものです。
- 納期:注文してから届くまでの目安
- 欠品:品切れのときの連絡のしかた、再入荷の予定
- 定番か季節品か:同じ商品をずっと仕入れられるか
- 不良品と返品:届いた商品に傷があったときの扱い
- 発送:お客さまへ直接送ってもらえるか(直送できるか)
空いている項目は、お礼のメールでまとめて聞きます。
STEP 3 お礼のメールを送る
商談から日を空けずに送ると、出展者も話を覚えています。
メールには、次のことを書きます。
- どの展示会の、どのブースで話したか
- 気になった商品の名前
- 会場で伺った条件(最小発注数、掛け率、ネット販売、画像の扱い)
- 見積もりと、追加で聞きたいことのお願い
会場で聞いた条件を文章にして送ることで、思い違いがあれば早めに直せます。
よくある質問
小さなネットショップでも商談してもらえますか
出展者によって考え方は違いますが、規模を問わず話を聞いてくれる出展者も多くいます。どのモールで、どんな商品を売っている店かを短く伝えると、話が進みやすくなります。
その場で注文を決めたほうがよいですか
急いで決める必要はありません。見積もりをもらい、送料やモールの手数料を足して利益を計算してから決めても遅くはないことが多いです。展示会だけの条件があるときは、その期限だけ確かめておきます。
画像をもらえない場合はどうすればよいですか
自分たちで撮ってよいかを聞き、サンプルを借りられるかを相談します。撮り直した画像は、ほかの店と差をつける材料にもなります。
まとめ
ギフトショーなどの展示会で仕入れ先と商談するときは、聞くことを4つのまとまりに分けておきます。
- 取引の条件:最小発注数、掛け率、送料、支払い
- 売り方の条件:ネット販売の可否、モールごとの可否、値引きの決まり
- ページづくりの素材:画像を使ってよい範囲、加工や撮り直しの可否、説明文やJANコード
- 物流と困ったときの扱い:納期、欠品、不良品、返品
とくにネット販売の可否と画像の扱いは、カタログに書かれていないことが多い項目です。その場で口で聞き、あとでメールでも確かめます。
今日からやること
- この記事の質問を、自分の店に合わせて削ったり足したりする
- ブースごとに書き込める形で、質問リストを印刷する
- どのモールで何を売っているかを、ひと息で言えるようにまとめる
- 扱いたいジャンルに出品の決まりがないか、各モールの管理画面やヘルプで調べておく
準備をしておけば、限られた商談の場で、後から困る項目を聞き漏らしにくくなります。


