アパレルの平置き撮影でしわを防ぐには、撮る前に「スチーマーでしわを伸ばす」「詰め物で形をつくる」「ピンで形をとめる」の3つの準備をします。そのうえで、カメラを服の真上に置き、机と平行に構えます。こうすると、形が歪まずに撮れます。
しわは、撮ったあとの画像加工で消すより、撮る前に取っておくほうが手早く済みます。仕上がりも自然です。
この記事では、楽天市場やAmazonの商品ページに使う平置き写真を、その日のうちに撮り直せるように、準備から確かめ方まで順番に説明します。

アパレルの平置き撮影でしわ対策が大切な理由と全体の流れ
平置き写真は、服の形・丈・デザインを一目で伝える写真です。お客さまは手に取れません。そのため、写真のしわや歪みを、そのまま商品の状態だと受け取りやすくなります。
しわが目立つと、次のように見られることがあります。
- 古い在庫や、使ったあとの品に見える
- 生地が安っぽく見える
- 本当の丈や身幅がわかりにくい
反対に、しわが少なく左右がそろっていると、それだけでお店の丁寧さが伝わります。
作業は、次の流れで進めると迷いません。
- STEP 1:しわを取る(スチーマー・アイロン・ほこり取り)
- STEP 2:詰め物で形をつくる
- STEP 3:ピンやテープで形をとめる
- STEP 4:カメラを真上に置き、水平を確かめて撮る
- STEP 5:画面を拡大して、しわ・ゴミ・歪みを確かめる
順番を入れ替えないのがコツです。先に並べてからしわを取ると、形がまた崩れてしまいます。
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撮影前の準備:スチーマーでしわを取る手順
スチーマーは、蒸気(スチーム)でしわを伸ばす道具です。服をハンガーに掛けたまま使えるので、平置き撮影の準備に向いています。

スチーマーのかけ方
- 洗濯表示(服のタグにある洗い方の記号)を見て、スチームや熱に弱い素材でないか確かめます。
- 服をハンガーに掛け、壁やカーテンから離して吊るします。
- 裾を片手で軽く下に引き、生地をぴんと張ります。
- スチーマーの先を生地から少し離し、上から下へゆっくり動かします。
- 襟・袖口・前立て(ボタンが並ぶ部分)は、しわが残りやすいので重ねてかけます。
- かけ終わったら、そのまま吊るしておき、湿り気が抜けるまで待ちます。
最後の「乾くまで待つ」が大切です。湿ったまま平らに置くと、置いた形のまま新しいしわがつきます。手のひらで触って、ひんやり感がなくなってから並べましょう。
アイロンを使い分ける場面
綿のシャツの襟や、ズボンのセンターライン(折り目の線)は、スチーマーだけでは伸びにくいことがあります。その場合はアイロンを使います。
- テカリを防ぐため、当て布(服の上に敷く薄い布)をします。
- プリントや刺しゅうの上は、裏返して裏側からかけます。
- ニットは押しつけず、少し浮かせて蒸気だけを当てます。
ほこりと糸くずを取る
しわが取れたら、粘着式のクリーナーで表面のほこりや髪の毛を取ります。黒や紺の服は、白い糸くずが写真でとても目立ちます。袖の下や裾の内側も見ておきましょう。
値札や品質表示のタグは、写り込まないよう内側に折り込みます。
詰め物で立体感と形を整える
平置きの服は、そのままだとぺたんと平たく見えます。中に詰め物を入れると、着たときに近いふくらみが出ます。しわも出にくくなります。
使いやすい詰め物
- 薄葉紙(うすようし):ギフト包装に使う薄くやわらかい紙です。丸めても形がなじみます。
- 白い厚紙・画用紙:身頃(胴の部分)の内側に入れると、表面が平らになり、生地の透けも防げます。
- やわらかいタオル:ニットやスウェットなど、厚手の服のふくらみづくりに使います。
色のついた紙は、薄い色の服に透けたり、色が移ったりすることがあります。白い紙を選ぶと安心です。
部位ごとの入れ方
- 身頃:服の形に合わせて切った白い厚紙を、前と後ろの生地の間に入れます。
- 肩まわり:丸めた薄葉紙を肩の内側に入れ、なだらかな丸みをつけます。
- 袖:細長く丸めた薄葉紙を袖の中に通します。ひじの位置で軽く曲げると、自然な表情になります。
- ズボン:腰まわりとももの部分に薄葉紙を入れ、ふくらみをそろえます。
確かめ方
詰め終わったら、立ち上がって真上から見下ろします。左右の肩の高さ、袖の太さ、裾のラインがそろっているかを見ます。片側だけふくらんでいたら、詰め物を少し抜いて調整します。
詰めすぎは逆効果です。生地が引っぱられて、縫い目のまわりに細かいしわが出ます。「少しふっくら」くらいで止めましょう。
ピン留め・テープで形をとめるコツ
形を整えても、少し触れただけで崩れることがあります。そこで、ピンやテープで形をとめます。
ピン留めの手順
- 服の下に、ピンが刺せる台を敷きます。発泡ボードや厚手の布が使いやすいです。
- まち針(頭のついた細い針)を、服の裏側や縫い目の近くなど、表から見えにくい位置に刺します。
- ウエストを少し絞りたいときは、背中側の生地をつまんで内側でとめます。
- 袖の角度を決めたら、袖口の内側を台にとめて動かないようにします。
シルクや薄い化学繊維は、針の穴が残ることがあります。目立たない場所で試すか、テープを使いましょう。
テープを使う場面
- 襟の先が浮くとき:襟の裏に小さく切った両面テープを貼り、身頃にとめます。
- ひもやリボンが動くとき:裏側をテープで台に固定します。
- 裾がめくれるとき:裾の内側を台にとめます。
テープは、撮影後にゆっくりはがします。粘着が強いものは、生地を傷めることがあるので避けましょう。
見えていないかの確かめ方
ピンの頭やテープの端は、照明が当たると光って写り込みます。とめ終わったら、カメラの画面を拡大して、光る点がないか確かめます。見つけたら、刺す位置を少し内側にずらします。
真上から歪みなく撮る機材の置き方
平置き写真が歪む原因の多くは、カメラの傾きです。斜めから撮ると、近い側が大きく、遠い側が小さく写ります。すると、丈や身幅が実物と違って見えてしまいます。

機材の置き方
- 服を置く場所を決めます。床か低い台が、真上から撮りやすいです。
- 三脚に横向きのアームを付け、カメラを真下に向けます。アームがない場合は、脚立に乗ってカメラを両手で構えます。
- カメラが服の中心の真上に来るよう、三脚の位置を動かします。
- カメラの背面に水平器(水平を測る道具)を置き、泡が真ん中に来るまで角度を直します。スマホなら、水平を測れるアプリでも確かめられます。
- 三脚の脚や自分の影が写っていないか、画面の四隅まで見ます。
- 手ぶれを防ぐため、セルフタイマーかリモコンでシャッターを切ります。
アームを長く伸ばすと、三脚が倒れやすくなります。反対側の脚に重りを下げると安定します。
レンズとズームの使い方
広角(広く写せる設定)で近くから撮ると、画面の端がふくらむように歪みます。少し離れてからズームで寄ると、まっすぐな線がまっすぐ写りやすくなります。
スマホの場合も、通常の倍率より少しズームした設定のほうが、端の歪みが抑えられます。
光の当て方
- 窓際のやわらかい光か、左右からの照明を使います。
- 片側からだけ光を当てると、しわの影が強く出ます。反対側に白い板を立てて、光をはね返しましょう。
- 真上に強いライトを置くと、カメラの影が服に落ちます。照明は斜め上から当てます。
歪みの確かめ方
カメラの設定で、画面にグリッド線(方眼の補助線)を出します。背景の布や台の四辺が、線と平行に写っていれば、ほぼ真上から撮れています。台形に写る場合は、カメラが傾いています。
撮影後の確かめ方とよくある失敗
撮ったら、その場で確かめます。片付けてから気づくと、また準備からやり直しになるからです。
確かめる手順
- カメラやスマホの画面で、写真を大きく拡大します。
- 襟・袖口・裾・縫い目のまわりに、しわやほこりがないか見ます。
- ピンの頭、テープ、タグが写っていないか見ます。
- パソコンに取り込み、色が実物に近いか、服を横に置いて見比べます。
- スマホで商品ページの表示を想定して小さく表示し、形が伝わるか見ます。
楽天市場やAmazonには、商品画像の大きさや背景などの決まりがあります。とくにAmazonのメイン画像は、カテゴリーごとに細かい決まりがあります。楽天市場はRMSの画面で、Amazonはセラーセントラルのヘルプで、登録前に確かめてください。
よくある失敗
- 湿ったまま並べる:スチーマーのあと、乾く前に置いてしわが戻ってしまいます。
- 詰め物を入れすぎる:生地が張りすぎて、縫い目に細かいしわが出ます。
- 左右がそろっていない:袖の角度が左右で違うと、形が崩れて見えます。
- カメラが少し傾いている:丈が短く見えたり、裾が広がって見えたりします。
- 影が強い:片側からの光で、しわがかえって目立ちます。
- 画像加工でしわを消しすぎる:生地の質感まで消えて、実物と違う印象になります。
よくある質問
スチーマーがない場合はどうすればいいですか?
アイロンのスチーム機能を、生地から少し浮かせて使えば代わりになります。浴室の湯気がこもった場所に服を吊るしておく方法もありますが、乾くまで待ってから撮りましょう。
しわは画像加工で消してもいいですか?
小さなしわやほこりを目立たなくする程度の加工は、よく行われています。ただし、色や形を実物と変えると、届いたときの印象とずれてしまいます。撮る前の準備で減らしておくのが基本です。
スマホでも平置き撮影はできますか?
できます。スマホを真上に固定できるスタンドや三脚を使い、グリッド線と水平を確かめながら撮りましょう。少しズームして撮ると、端の歪みも抑えられます。
まとめ
アパレルの平置き撮影のしわ対策は、撮る前の準備でほとんど決まります。
押さえたい要点は次のとおりです。
- スチーマーでしわを伸ばし、乾いてから並べる
- 白い詰め物で、ふっくらとした形をつくる
- ピンやテープは、見えない位置でとめる
- カメラは服の中心の真上に置き、水平器で傾きを確かめる
- 撮ったらその場で拡大して、しわ・写り込み・歪みを見る
今日からやることは、次の3つです。
- いま商品ページに使っている平置き写真を拡大して、しわと歪みを確かめる
- 白い薄葉紙と厚紙、まち針、水平器を用意する
- 売れ筋の商品を1着選び、この記事の手順で撮り直して、前の写真と見比べる
1着ずつ手順をくり返すと、準備の流れが体に入ります。まずは1着から始めてみてください。


