Yahoo!ショッピングのアイテムマッチの入札単価は、「その商品が1つ売れたときに広告に使ってよい金額 × 購入率」で上限を決めます。まず利益から上限を出し、実際の入札はその下から始めて、最初の数週間のレポートを見て上げ下げします。
この記事では、上限クリック単価(1回のクリックに払ってよい最大の金額)を逆算する手順をまとめます。最初の数週間で単価を見直す目安と、よくある失敗も紹介します。

アイテムマッチの入札単価は「利益から逆算」して決める
アイテムマッチは、クリックされるたびに費用がかかる広告です。入札単価は、1回のクリックに払ってよい金額の上限を店が決めるものです。
入札単価を「周りがいくらで出しているか」や「表示が増えるかどうか」だけで決めると、売れても赤字になることがあります。広告費が、その商品で残る利益を上回ってしまうからです。
入札単価は、表示を増やすための数字ではなく、利益を守るための上限として決めます。
考え方はシンプルです。
- 1つ売れたら、手元にいくら残るか(粗利)
- そのうち、広告にいくらまで使ってよいか
- 何回クリックされたら1つ売れるか(購入率)
この3つがわかれば、「1回のクリックにいくらまで払えるか」が計算できます。
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逆算に使う3つの数字を集める
計算の前に、商品ごとに3つの数字を集めます。まとめて全商品をやる必要はありません。まずは広告を出したい商品から始めます。
1つ目:1つ売れたときの粗利
粗利は、売値から「売るたびにかかる費用」を引いた残りです。次のものを引きます。
- 仕入れ値・原価:商品そのものの費用
- モールの費用:売上に応じてかかる手数料やポイントの負担
- 送料:店が負担する分の送料
- 梱包の資材:箱・緩衝材・同梱物など
- 決済の費用:支払い方法にかかる費用
Yahoo!ショッピングで売るたびにかかる費用の種類と割合は、契約や時期で変わることがあります。ストアクリエイターPro のマニュアルで確かめてください。
送料無料にしている商品は、送料を引き忘れやすいので注意します。
2つ目:広告に回してよい割合
粗利を全部広告に使うと、売れても利益はゼロです。そこで「粗利のうち、どこまで広告に回すか」を店で決めます。
決め方の目安は次のとおりです。
- 利益を残したい定番商品:粗利の一部だけを広告に回す
- レビューや販売実績を作りたい新商品:一時的に多めに回してもよいと決める
- リピートが多い商品:次の購入まで見込んで、少し多めに回す考え方もある
ここは正解がある数字ではありません。店の方針として、商品ごとに決めてメモしておきます。
3つ目:購入率
購入率は、商品ページを見た人のうち、買った人の割合です。転換率やCVRとも呼ばれます。
アイテムマッチをすでに出している商品は、広告のレポートで「クリック数」と「注文数」を見て、注文数をクリック数で割ります。まだ広告を出していない商品は、ストアクリエイターPro の販売や商品の分析画面で、ページの閲覧数と注文数から出します。
画面の場所や項目名は変わることがあるので、ストアクリエイターPro のマニュアルで確かめてください。
閲覧数が少ない商品は、購入率がぶれやすいです。できるだけ長めの期間で見ると、ぶれが小さくなります。
上限クリック単価を計算する手順
3つの数字がそろったら、次の順で計算します。
- 粗利を出す売値から費用を引く
- 広告に使える額を出す粗利×広告に回す割合
- 購入率をかけるクリック数と注文数から出す
- 上限クリック単価が決まるこれより上では入札しない
STEP 1:1つ売れたときの粗利を出す
売値から、前の章で挙げた費用をすべて引きます。商品ごとに計算し、表計算ソフトなどに書き出しておきます。
STEP 2:1つ売るのに使ってよい広告費を出す
粗利に「広告に回してよい割合」をかけます。これが「1つの注文を取るために使ってよい広告費」です。
STEP 3:購入率をかける
STEP 2で出した金額に、購入率をかけます。答えが「1回のクリックに払ってよい上限」です。
式にすると、次のようになります。
- 上限クリック単価 = 粗利 × 広告に回してよい割合 × 購入率
たとえば購入率が下がると、同じ粗利でも上限は低くなります。ページを改善して購入率が上がると、上限も上げられます。
STEP 4:計算結果を確かめる
計算したら、逆向きにも確かめます。「上限クリック単価で入札して、購入率どおりに売れたら、1つの注文にかかる広告費はSTEP 2の金額と同じになるか」を見ます。同じになれば計算は合っています。
上限は商品ごとに違う数字になります。全商品を同じ単価にしないことが大切です。
実際に入れる入札単価は上限より下から始める
計算した上限は「これを超えたら赤字になる線」です。最初から上限ぴったりで入札する必要はありません。
最初の入札は、上限より低めに入れて、様子を見ながら上げていきます。
理由は2つあります。
- 購入率はぶれる:広告から来た人は、自然検索から来た人と購入率が違うことがある
- 下げるより上げるほうが安全:低めから始めれば、赤字の期間を作りにくい
入札の手順は次のとおりです。
- ストアクリエイターPro からアイテムマッチの管理画面を開く
- 広告を出す商品を選び、商品ごとの入札単価を入れる
- 入札できる最低の単価や設定の単位を確かめる
- 日ごとや月ごとの予算の上限も入れておく
- 設定した日と単価をメモに残す
最低入札単価や予算の設定方法は変わることがあります。ストアクリエイターPro のマニュアルで確かめてください。
計算した上限が、入札できる最低の単価より低い商品もあります。その場合は、今のままでは広告を出すと赤字になりやすい商品です。広告より先に、価格・原価・商品ページの見直しを考えます。

最初の数週間で単価を見直す目安
入札したら、毎日単価を動かすのではなく、決まった日に見直します。数字が少ないうちに動かすと、たまたまの結果に振り回されるからです。
見る数字
アイテムマッチのレポートで、商品ごとに次の数字を見ます。
- 表示回数:広告が出た回数
- クリック数:広告が押された回数
- 実際のクリック単価:実際に払った平均の金額
- 広告費:使った金額の合計
- 注文数と売上:広告経由で売れた数と金額
実際に払う単価は、入札単価と同じになるとは限りません。レポートの数字で確かめます。
1週目:表示とクリックが出ているかを見る
- 表示がほとんど出ない:入札単価が低すぎる可能性があります。上限を超えない範囲で少し上げます。
- 表示は出るのにクリックが少ない:単価より、商品画像・商品名・価格が見劣りしている可能性があります。単価は変えずに、検索結果での見え方を確かめます。
2週目以降:注文1つあたりの広告費を見る
注文が出てきたら、広告費を注文数で割ります。これが「1つの注文を取るのにかかった広告費」です。STEP 2で決めた「使ってよい広告費」と比べます。
- 使ってよい額より低い:利益に余裕があります。上限の範囲で少し上げて、表示を増やしてもよい状態です。
- 使ってよい額とほぼ同じ:今の単価を続けます。
- 使ってよい額より高い:単価を少し下げるか、購入率を上げるためにページを見直します。
クリックはあるのに注文がない場合
クリックがたまっても注文が出ない商品は、単価を上げても解決しにくいです。商品ページの写真・説明・レビュー・送料の見せ方を確かめます。
見直したら、レポートで出た購入率を使って上限クリック単価を計算し直します。最初は推測だった購入率を、実際の数字に置きかえていくイメージです。
よくある失敗
入札単価の決め方でつまずきやすい点をまとめます。
- 全商品を同じ単価にする:粗利も購入率も商品ごとに違うので、赤字の商品と出し足りない商品が混ざります。
- 売上だけを見る:広告経由の売上が多くても、粗利から広告費を引くと赤字のことがあります。
- 送料やポイントの負担を粗利に入れ忘れる:上限が高く出すぎて、売れるほど利益が減ります。
- 数日で単価を何度も変える:数字が少ないうちは結果がぶれます。見直す日を決めます。
- ページの問題を単価で解決しようとする:購入率が低いまま単価を上げても、広告費が増えるだけになりがちです。
- 計算し直さない:価格・原価・購入率が変わったら、上限も変わります。
どれも、商品ごとの「粗利・広告に回す割合・購入率」を書き出しておけば防ぎやすい失敗です。
よくある質問
購入率がまだわからない新商品はどうすればいいですか
似た価格帯・似たジャンルの自店の商品の購入率を仮に使い、上限を低めに計算して始めます。広告のレポートで数字がたまったら、実際の購入率で計算し直します。
セールやポイントアップの期間も同じ単価でいいですか
期間中は購入率が上がることがある一方で、値引きやポイントの負担で粗利が減ることもあります。期間の前に粗利を計算し直し、上限がどう変わるかを確かめてから単価を決めます。
ほかのモールの広告でも同じ考え方は使えますか
クリックごとに費用がかかる広告なら、粗利と購入率から上限を逆算する考え方は使えます。ただし費用のかかり方や設定方法はモールごとに違うので、それぞれの管理画面やヘルプで確かめてください。
まとめ
アイテムマッチの入札単価は、利益から逆算して決めます。
- 上限クリック単価は「粗利 × 広告に回してよい割合 × 購入率」で出す
- 実際の入札は上限より低めから始める
- 見直す日を決めて、注文1つあたりの広告費と使ってよい額を比べる
- クリックはあるのに売れないときは、単価よりページを見直す
今日からやることは次の3つです。
- 広告を出したい商品を選び、1つ売れたときの粗利を書き出す
- 商品ごとに広告に回してよい割合を決め、購入率をかけて上限を出す
- 上限より低めで入札し、最初に見直す日をカレンダーに入れる
数字を書き出しておけば、単価を上げるか下げるかを迷わず判断しやすくなります。


