楽天のクーポンアドバンス広告とRPPのいちばん大きな違いは、費用がかかるタイミングです。RPPはクリックされたときに費用がかかります。クーポンアドバンス広告は、クーポンが使われて売れたときに費用がかかる成果報酬型です。
そのため、RPPは「見つけてもらう」ための広告、クーポンアドバンス広告は「迷っている人の背中を押す」ための広告と考えると使い分けやすくなります。
この記事では、それぞれの課金の仕組みと向いている商品を整理します。そのうえで、両方を使うときの予算の分け方と、設定後の確かめ方まで説明します。

楽天のクーポンアドバンス広告とRPPの違い
まず、2つの広告のちがいを大まかにつかみます。
RPPは、楽天市場の検索結果などに商品を表示する広告です。RPPは「楽天プロモーションプラットフォーム」の略です。お客さんが広告をクリックすると、そのたびに費用がかかります。これをクリック課金と言います。
クーポンアドバンス広告は、お店が発行するクーポンと一緒に商品を表示する広告です。検索結果などで、商品にクーポンが付いていることが目立つ形で出ます。費用は、クーポンが使われて購入につながったときにかかる仕組みと案内されています。
つまり、次のように整理できます。
- RPP:クリックされたら費用がかかる。売れなくても費用が出る。
- クーポンアドバンス広告:クーポンが使われて売れたら費用がかかる。ただし広告費とは別に、クーポンの値引き分もお店の負担になる。
「どちらが得か」ではなく「どの役割をまかせるか」で選ぶのが基本です。
なお、表示される場所や課金の細かい条件は、変わることがあります。RMSの画面と、楽天の店舗向けの案内で確かめてください。
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クーポンアドバンス広告の課金の仕組みを正しくつかむ
クーポンアドバンス広告は「売れたときだけ費用がかかるから安全」と思われがちです。ここには落とし穴があります。
費用は2つ重なる
売れたときにかかるのは、広告の費用だけではありません。お客さんが使ったクーポンの値引き分も、お店がかぶります。
ですから、1つ売れたときの本当のコストは「広告費+値引き分」です。ここを広告費だけで見ると、利益が思ったより残らないことがあります。
もともと買う人にも費用がかかる
クーポンは、広告がなくても買ってくれたはずのお客さんにも使われます。たとえば、リピーターや、お気に入りに入れて買う日を待っていた人です。
この場合、広告がなくても出ていた売上に、値引きと広告費が上乗せされたことになります。成果報酬型でも、すべての売上が広告のおかげとは限りません。
確かめる場所
課金の単価や、どの時点で「利用された」と数えるかは、RMSの広告関連のメニューで確かめてください。メニューの名前や場所は変わることがあるので、画面で最新の表示を見てください。
クーポンアドバンス広告に向いている商品・向いていない商品
クーポンは「あと少しで買う」人に効きます。まだ商品を知らない人を連れてくる力は、RPPほど強くありません。
向いている商品
- 粗利に余裕がある商品:値引きと広告費を引いても利益が残るものです。
- 比べられやすい商品:似た商品が多く、最後は価格で決められやすいものです。日用品や消耗品などが当てはまりやすいです。
- レビューがある程度たまっている商品:ページを見た人が安心できるので、クーポンの一押しが効きやすくなります。
- くり返し買われる商品:初回をクーポンで買ってもらい、次からは通常価格で買ってもらう流れを作れます。
向いていない商品
- 粗利が薄い商品:値引きと広告費で赤字になりやすいです。
- 価格を下げるとブランドの印象が崩れる商品:いつも値引きしている印象がつくと、通常価格で売りにくくなります。
- ページの説明や写真が弱い商品:クーポンで目を引いても、ページで離れてしまいます。先にページを直すほうが近道です。
- 新商品で知られていない商品:まずはRPPで見てもらう機会を作るほうが向いています。
迷ったら「クーポンを付けても利益が残るか」を最初に計算してください。
計算は、販売価格から原価・送料・楽天の手数料・クーポンの値引き分・広告費を引くだけです。楽天の手数料の率は契約プランで違うので、RMSの画面で確かめてください。
RPPと併用するときの予算配分の考え方
2つの広告は役割がちがうので、両方使うこともできます。そのときは、次の順番で予算を考えます。
STEP 1:1つ売るのにかけてよい費用を決める
まず商品ごとに、1つ売るためにかけてよい費用の上限を決めます。粗利から、残したい利益を引いた残りが上限です。
この上限が、2つの広告を比べるときのものさしになります。
STEP 2:両方を同じものさしで比べる
RPPは、広告費の合計を広告経由の注文の数で割ると、1注文あたりの費用が出ます。
クーポンアドバンス広告は、広告費と値引き分を足してから、注文の数で割ります。値引き分を入れ忘れると、クーポンアドバンス広告が実際より安く見えてしまいます。
STEP 3:役割で配分を決める
- 新商品・知られていない商品:RPPを中心にします。クーポンアドバンス広告はページの評価が固まってから試します。
- よく見られているのに買われにくい商品:クーポンアドバンス広告を足してみます。アクセスはあるのに転換率(見た人のうち買った人の割合)が低い商品が候補です。
- すでによく売れている商品:RPPで見つけてもらう量を保ちつつ、クーポンアドバンス広告は様子を見ながら控えめにします。もともと買う人にもクーポンが使われやすいからです。
STEP 4:小さく試して寄せていく
はじめから大きく分ける必要はありません。いまの広告費の中心はRPPのままにして、クーポンアドバンス広告は数商品だけで小さく試します。
しばらく続けたら、STEP 2のものさしで比べます。1注文あたりの費用が上限の内に収まっているほうに、少しずつ予算を寄せます。
予算は一度決めて終わりではなく、比べた結果で毎回少しずつ動かすものです。
設定から確かめるまでの手順
ここでは、今日から手を動かせるように、流れを順番に書きます。
- 候補の商品を選ぶ粗利とアクセスで絞る
- 利益が残るか計算する値引きと広告費を引く
- RMSで広告を設定するクーポンの条件も確認
- しばらく続ける途中で何度も変えない
- 同じものさしで比べる値引き分も入れる
- 予算を寄せる少しずつ動かす
STEP 1:候補の商品を選ぶ
RMSのアクセス分析の画面で、アクセスが多いのに転換率が低い商品を探します。その中から、粗利に余裕がある商品を数個選びます。
STEP 2:利益が残るか計算する
選んだ商品ごとに、値引きと広告費を引いても利益が残るかを計算します。残らない商品は候補から外します。
STEP 3:RMSで設定する
RMSの広告関連のメニューから、クーポンアドバンス広告の設定画面を開きます。対象の商品、クーポンの値引きの大きさ、期間、予算を決めます。
設定したら、楽天市場の検索結果を自分のスマホで見て、商品がどう表示されるかを確かめます。広告の表示にはばらつきがあるので、出ないときは少し時間をおいて見直してください。
STEP 4:しばらく続ける
始めてすぐは数字がぶれます。途中で値引きの大きさや対象商品を何度も変えると、何が効いたのかわからなくなります。
STEP 5:比べて、予算を寄せる
RMSの広告のレポート画面で、RPPとクーポンアドバンス広告の結果を見ます。前の見出しで説明したものさしで1注文あたりの費用を出し、上限と比べます。
あわせて、広告を出す前と後で、その商品の全体の売上と利益がどう変わったかも見ます。広告経由の売上が増えても、全体の利益が減っていたら見直しのサインです。
よくある失敗
実際につまずきやすい点をまとめます。
- 値引き分を計算に入れていない:広告費だけで判断して、利益が残っていないことに後で気づきます。
- どの商品にも付けている:粗利の薄い商品まで対象にすると、売れるほど赤字が増えます。
- ページを直さずに広告だけ足す:クーポンで目を引いても、写真や説明が弱いとページで離れられます。
- RPPを止めてクーポンアドバンス広告に乗りかえる:見つけてもらう入口が細くなり、全体の売上が落ちることがあります。
- イベントのクーポンと重ねて考えていない:楽天のイベント中は、ほかのクーポンやポイント施策と重なります。値引きが大きくなりすぎないか、事前に確かめてください。
- 途中で設定を何度も変える:比べる材料がそろわず、判断ができなくなります。
失敗の多くは「広告経由の数字だけを見て、全体の利益を見ていない」ことから起きます。
よくある質問
クーポンアドバンス広告を止めたら、売上は元に戻りますか?
止めると、クーポンで買っていた人の一部は買わなくなる可能性があります。止める前後で、その商品の全体の売上と利益を比べて判断してください。
クーポンアドバンス広告とふつうのクーポンは何がちがいますか?
ふつうのクーポンは発行するだけで、表示される場所が限られます。クーポンアドバンス広告は、クーポン付きの商品を広告として目立つ場所に出す仕組みです。表示場所の詳しい条件はRMSの画面で確かめてください。
まとめ
RPPはクリックで費用がかかり、見つけてもらう役割に向いています。クーポンアドバンス広告は売れたときに費用がかかり、迷っている人の背中を押す役割に向いています。
本日のポイント
- クーポンアドバンス広告の本当のコストは、広告費と値引き分の合計です。
- 向いているのは、粗利に余裕があり、よく見られているのに買われにくい商品です。
- 2つの広告は、1注文あたりの費用という同じものさしで比べます。
今日からやること
- RMSのアクセス分析で、アクセスが多いのに転換率が低い商品を探す。
- その商品で、クーポンを付けても利益が残るかを計算する。
- RPPは続けたまま、クーポンアドバンス広告を数商品で小さく試す。
役割を分けて、同じものさしで比べ続ければ、広告費をどこにかけるべきかが少しずつ見えてきます。


