ネットショップを運営していると、どうしても“商品”や“お客様対応”に意識が向きがち。
でも実は、売上を伸ばすのと同じくらい大事なのが「経費の見える化」なんです。
というのも、「なんとなくお金が減っていく…」「思ったより利益が残らない…」という不安は、ショップ運営者あるある。
私自身、健康・美容食品をECで販売していた当時、そうした“お金のもやもや”に何度も悩まされてきました。
だけどあるとき気づいたんです。
「お金の流れをざっくりでも“見える化”するだけで、安心感も、売上意識もまるで変わる」ということに。
数字の苦手意識があっても大丈夫。
実際に私がやって効果を感じた「お金の見える化ステップ」を、寄り添う視点で3つに絞ってお伝えします。
「帳簿は苦手だけど、ショップは続けたい」
そんなあなたにこそ読んでほしい、小さな一歩のはじめ方です。
【ステップ①】使う口座とカードは“1セット”にまとめる
複雑な経路はミスのもとです。
私が最初に見直したのは、使う口座とカードの分散でした。
販売開始当初は、仕入れにA社のカード、広告費に自分のカード…と使い分けていたため、経費の確認に毎回1時間以上かかっていたんです。
しかし思い切って、事業用のネットバンク口座とクレジットカードを1セットにまとめました。
入出金はすべてそこから動かすようにしたところ、履歴が1画面にまとまり、管理が格段にシンプルになったのです。
楽天銀行や住信SBIネット銀行など、明細データのCSV出力ができる銀行も便利でおすすめです。
事業のお金を一元化するだけで、確定申告前のストレスも大幅に軽減されました。
加えて、一つの口座・カードに絞ることで、万が一の不正利用やトラブルの早期発見にもつながります。
→開業届を出していない段階でも、事業用とプライベートの口座・カードは分けておくのが安全!
【ステップ②】経費は「ざっくり5分類」でOK
完璧を目指すよりも、「見える化」を優先しましょう。
「これはどの勘定科目にあたるの?」と悩んで手が止まってしまうこと、私も経験があります。だからこそ、細かい専門知識は必要ありません。私はざっくりと以下の5つの分類に切り替えました。
分類 | 内容 | 例 |
①仕入費 | 商品の原価 | 原材料、メーカー仕入 |
②発送費 | 物流関連 | 梱包材、宅配便など |
③広告費 | 集客関連 | SNS広告、SEO対策 |
④外注費 | 外部委託 | LPデザイン、撮影代 |
⑤雑費 | その他 | 試供品、文具など |
この分類に変えてから、「どこに分類すべきか?」で悩む時間が激減しました。エクセルやGoogleスプレッドシートで、1ヶ月あたりの支出割合も一目で分かるようになったのです。
freeeやマネーフォワードの自動仕訳も便利ですが、最初は手動で管理するのがおすすめです。慣れてくると自分なりに細かいルールを作ることもできますが、まずはこの5つで“経費の全体像”を把握することが重要だと思います。
→最初から完璧にする必要はなく、まずはざっくり見える化することが数字管理の第一歩!
【ステップ③】“月イチ15分”の「お金時間」を決めておく
習慣化が未来の安心に繋がります。
最後にやってよかったのが、「毎月月末に15分だけ見直す時間」をつくることです。
これを「お金チェックタイム」と名付けて、カレンダーに入れました。
自分でカフェに行って、軽く見直す時間をつくると、不思議と前向きな気持ちになります。
チェックするのはこの3つです:
・今月の売上・支出(ざっくりでOK)
・支出割合の偏り
・次月の注力ポイント(広告?在庫?)
振り返りをするだけで、自然と行動が変わっていきますよ。
数字を見るクセがつくと、「今月はSNS広告をやりすぎたかもしれませんね」「資材のまとめ買いにちょうどいいタイミングだな」といった判断もスムーズになります。
続けていくうちに、数字から読み取れるヒントや課題も見えてくるので、経営の舵取りがぐっと楽になります。
→リマインダー通知を月末前日にセットすると忘れにくくなり、おすすめです!
■ 注意点:数字の落とし穴に要注意!
NG①「事業とプライベートを混ぜてしまう」
個人口座やカードを混ぜてしまうと、記録が混線します。
税務上のリスクもあるため、完全に分けるのが大前提。
→開業届を出していない段階でも、分けておくのが安全です
NG②「経費を“あとから思い出す”方式に」
レシートや請求書をためこんで、あとでまとめて記録しようとすると高確率で漏れます。
→スマホで都度メモアプリに記録 or 写真保存が◎
NG③「ツールに頼りきり」
AI仕訳やレコメンドに任せきると、ミスに気づかないことも。
私はかつて、仕入れ代を「雑費」に分類していて、経費計算が狂いました…。
→ツールはあくまでサポート役。最終チェックは自分で行う習慣をつけましょう。
まとめ:完璧じゃなくていい、動き出すことが一番の成果!
経費の見える化って、はじめの一歩がハードル高く感じますよね。
でも実は、「ざっくりでもいいから向き合うこと」が未来を変えるスタートになるんです。
もう一度おさらいすると
・【ステップ①】口座・カードを1セットにまとめて ・【ステップ②】経費はざっくり5分類にして ・【ステップ③】月イチ15分の見直しタイムをつくる |
これだけで、あなたのネットショップ運営が安定して、余裕も少しずつ生まれます。
「数字に向き合える自分」になれれば、ショップ経営ももっと楽しく感じられるはずです。
無理なくできることから、まずは今日から始めてみませんか?
小さな積み重ねが、いつの間にか大きな成果につながっていきます。
まずは「見える化」の第一歩を踏み出して、安心感を手に入れましょう。
参考データ一覧
・マネーフォワード クラウド会計
・freee(フリー)会計
・中小企業庁「小規模事業者持続化補助金」
・国税庁:個人事業主の必要経費について