「えっ、こんな問い合わせが来るの!?」
私がECで健康食品を販売していたころ、最初にお客様から届いたメッセージに固まりました。商品ページにしっかり書いたつもりなのに、「いつ届きますか?」「これって飲んでも大丈夫ですか?」など、予想外の質問が次々と。
でも、ある時気づいたんです。こうした“初めての問い合わせ”って、商品やお店に興味を持ってくれている証拠なんですよね。だからこそ、ここでの返信が、その後の購入やファン化につながる「超・重要な分岐点」になります。
この記事では、実際に私が使っていた返信テンプレートや、心がけていたコツをご紹介。「問い合わせが来るのがちょっと怖い…」と思っているあなたも、きっと明日から楽しく対応できるはずです。
1. まずは「気づき」と「感謝」のひとことから
問い合わせをもらったら、まず一番大事なのは「気づいてますよ」「ありがとうございます」という気持ちを伝えること。
たとえば、こんな風に返信していました。
〇〇様 このたびは当店の商品にご興味をお持ちいただき、誠にありがとうございます。 ご質問の件について、以下にご案内いたします。 |
ポイント:名前を添えるだけでも、一人ひとりのお客様に向き合っている印象になります。
この“ちょっとした丁寧さ”が、お客様の心をグッとつかむんです。実際に私がこれを入れた後、返信率やリピート購入率が上がりました(当店比で約20%UP)。言葉の力ってすごい。
→「最初の一文」が丁寧になると、後のやりとり全体がスムーズになりやすくなります。
2. 回答は「わかりやすさ」と「誠実さ」がカギ
例えば、「発送はいつですか?」という質問に対して…
NG例:
通常2~3営業日以内に発送します。
OK例はこうです。
〇〇様 ご注文いただいた商品は、通常2〜3営業日以内に発送しております。 本日ご注文いただいた場合、〇月〇日(〇)〜〇月〇日(〇)の間に発送予定です。 (繁忙期や天候などにより前後する場合がございますが、何卒ご了承くださいませ。) |
ポイント:具体的な日付を入れることで、お客様の不安を和らげることができます。
私は以前、事務的すぎる返信をしてしまい、「ロボットみたいですね…」とレビューに書かれたことがありました(泣)。それ以来、少しでも「あなたのためにお答えしていますよ」という姿勢を見せるよう心がけています。
→「人らしい対応」は、お客様の安心や信頼感につながります。少しの工夫で印象が変わります。
3. 不安には“共感”+“代替案”で安心感を
たとえば、以下のような質問が来た場合:
「アレルギーがあるのですが、飲んでも大丈夫ですか?」
このとき大切なのは、まずお客様の不安に寄り添うこと。実際に私が返信したのはこんな感じです。
〇〇様 アレルギーをお持ちとのことで、ご心配なお気持ちお察しいたします。 当店の商品には、〇〇(成分名)は含まれておりませんが、ご不安な点がございましたら、かかりつけの医師にご相談のうえお召し上がりいただくことをおすすめいたします。 また、別の商品「〇〇(商品名)」は、よりシンプルな成分で構成されておりますので、よろしければご検討くださいませ。 |
ポイント:「不安への共感→具体的な案内→別の提案」の流れがあると、安心感と信頼につながります。
こういった「共感+代替提案」の組み合わせは非常に有効です。実際に、アレルギーの相談から「別商品を購入しました!」というお声も多数いただきました。
→代替案があると、お客様は「自分のことを考えてくれている」と感じやすくなります。
4. クレームっぽい内容にも、柔らかく対応
例:「届いた商品が少し違う気がするのですが…」
このようなとき、感情的に返したくなる気持ち、わかります。でもここで冷静さを失うと、口コミで大きなダメージになりかねません。
私が使っていた対応文は以下のようなものでした。
〇〇様 このたびは当店の商品に関しまして、ご不快な思いをさせてしまい誠に申し訳ございません。 詳細を確認させていただきたく、お手数ですが商品のお写真をお送りいただけますでしょうか。 確認のうえ、速やかに対応させていただきます。 |
ポイント:丁寧にお願いすることで、相手にも落ち着いて対応してもらいやすくなります。
こうすることで、お客様は「ちゃんと向き合ってくれている」と感じてくださいます。
参考データ:ECナビ調査(2023年)では、「問い合わせ時の対応の印象が購入に影響する」と答えたユーザーは全体の約83%
→多くのユーザーが「対応の良し悪し」で購入を判断しています。信頼づくりのチャンスです。
5. 最後のひとことが次の購入を呼ぶ
返信の最後には、ちょっとしたひとことを添えるのがおすすめ。
私が実際によく使っていたのはこんな文章です。
今後も〇〇様にご満足いただける商品とサービスをお届けできるよう努めてまいります。ご不明な点などございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせくださいませ。 |
ポイント:「また連絡して大丈夫」と思ってもらえると、お客様との継続的な関係づくりにつながります。
この「また連絡していいんだよ」という雰囲気が、お客様との信頼関係を育ててくれます。私の体感では、この一言を添えただけで、再購入やレビュー投稿の率が明らかに増えました。
→文末の言葉で「印象の余韻」が残ります。次の行動を後押しする力になります。
注意点:テンプレに頼りすぎないこと!
テンプレートは便利ですが、そのまま使うと「コピペ感」が出てしまい、冷たい印象になってしまうことも。
私が工夫していたのは以下の3つ:
・お名前を必ず文中に一度は入れる ・疑問の内容に合わせて1文だけ自分の言葉を入れる ・語尾にバリエーションを出す(です/ます/〜いたします/〜となります など) |
これだけでも、グッと自然な文章になりますよ。→「手間をかけてもらった」と感じてもらうことで、信頼感は一気に高まります。
まとめ:返信文は「あなたらしさ」で伝わる
ECサイトでのお問い合わせ対応は、単なる“作業”ではありません。それは、画面の向こうのお客様と心を通わせる大切な時間。だからこそ、「人として」「あなたらしく」丁寧に向き合うことが何よりも大切です。
どんなに小さなやりとりも、積み重なれば立派な信頼になります。今日から、ひとつひとつの返信に、ちょっとだけ気持ちを添えてみませんか?
あなたのECショップが、もっと愛される場所になりますように。
参照データ一覧
・ECナビ「問い合わせ対応とユーザー満足度についての調査(2023年)」
・経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査」