副業として人気の「輸入仕入れ」ですが、最初に誰もが戸惑うのが関税や税金のこと。「いくらかかるの?」「どう計算するの?」と不安になる方も多いはず。本記事では、初心者でもわかりやすく、税金・関税の基本から計算方法、注意点までやさしく解説します。不安を解消し、安心して輸入ビジネスに踏み出しましょう。
輸入仕入れ初心者が最初につまずく「関税・税金」ってなに?
「輸入仕入れ」とは?副業に人気の理由
「輸入仕入れ」とは、海外から商品を購入し、日本で販売するビジネスのことを指します。近年はネット環境の進化とともに、中国や韓国などのサイトからスマホ一つで簡単に仕入れができるようになり、副業としての注目度が高まっています。
特に、メルカリやBASEなど販売チャネルの充実もあり、在庫を抱えず小ロットから始められる点が魅力。初期費用が少なくリスクを抑えてスタートできることから、育児や本業の合間に取り組む人が増えています。「安く仕入れて高く売る」シンプルな構造ながら、やり方次第でしっかり収益を出せる点が人気の理由です。
まず知っておくべき!輸入にかかる主な税金の種類とは
初心者がまず覚えておきたいのは、「輸入=税金がかかる」という点です。主に以下の3つが関係してきます。
① 関税:商品の種類によって国が定めている税率
② 消費税(+地方消費税):国内で販売を前提にした場合に課税
③ 通関手数料など:手続きにかかる追加費用もあり得ます
これらは商品価格とは別に発生するため、商品単価が安くても、税金などを含めた「実質的な仕入れ価格」は想像以上に高くなることも。特に初心者は、「税金も含めていくらかかるのか」を意識せずに仕入れてしまい、想定より利益が出ないケースも多いため注意が必要です。
「関税」ってどうやって決まるの?初心者向けにやさしく解説
関税の金額は「税率 × 課税価格」で決まります。税率は商品によって異なり、例えばアパレルなら10%前後のことが多いです。「課税価格」は、商品価格に送料・保険料などを足した金額に基づいて計算されるのが基本です。
関税率の確認には「税関のホームページ」や「タリフ(TARIC)」というサイトが便利です。初心者でも検索しやすい仕組みになっているとはいえ、分類が細かくて最初は戸惑うかもしれません。誤った分類をすると過剰な関税がかかるリスクもあるため、まずは似た商品で調べてみる、もしくは税関や通関業者に問い合わせて確認するのが安心です。
輸入仕入れの税金・関税はこう計算する
関税率の調べ方と、実際の計算例
関税率は商品ごとに異なり、「税関の分類表(HSコード)」を使って調べます。たとえば1,000円の商品を送料500円で輸入した場合、「課税価格」は1,500円。この金額に10%の関税がかかれば、関税額は150円になります。
ここに注意したいのは、「送料も課税対象になる」という点です。また、保険料があればそれも含まれます。初めての輸入では、商品の価格だけを見て安く感じてしまいがちですが、実際には「仕入れにかかる総額」を基に利益計算をしなければなりません。計算ミスによる赤字を防ぐためにも、関税の計算方法はしっかり押さえておきましょう。
消費税・地方消費税もかかる!「課税価格」とは?
「課税価格」とは、商品代金に送料・保険料などを加えた金額を円に換算したものです。この金額をもとに関税がかかり、その上に消費税(10%)と地方消費税(現在は2.2%)が加算されます。
つまり、輸入時には「課税価格 → 関税 → 消費税・地方消費税」と段階的に税が重なっていくため、最終的な税負担は思った以上に大きくなることもあります。事前に大まかなコストを試算しておくことで、資金不足や想定外の出費を避けることができます。税率のかかり方は慣れるまではややこしいため、初心者はシミュレーションを活用すると安心です。
個人輸入と事業用輸入の違いによる税金の扱いとは
「個人輸入」と「事業用輸入」では、税金の扱いや通関の手続きが異なります。個人輸入とは「自分で使う目的」のもので、例えば趣味で買う洋服やコスメなどが該当します。この場合、簡易税率が適用されることが多く、少額であれば非課税になるケースもあります。
一方、販売目的で輸入する場合は「事業用」となり、一般の税率が適用されます。仕入れ数や販売計画によっては、税務署への開業届や確定申告も必要になります。副業とはいえ継続的な収益を見込むなら、早い段階で「事業者としての準備」を始めておくことが、のちのトラブル回避にもつながります。
輸入ビジネスで失敗しないために知っておきたいこと
最初に把握しておきたい「税金込みの仕入れコスト」
「商品代が安いから儲かる」と思って仕入れたら、実は送料や関税、消費税が想定以上にかかって赤字に…というのは初心者にありがちな失敗です。輸入では「商品価格=仕入れコスト」ではなく、「税金込みでいくらかかるのか」を正確に見積もることが大前提になります。
例えば、1,000円の雑貨でも関税・消費税・送料込みで1,500円以上になることがあります。さらに販売プラットフォームの手数料も考慮する必要があるため、「利益が出るライン」は仕入れ前から計算しておくことが重要です。シミュレーションを使って試算するクセをつけましょう。
税関手続きとインボイスの基本も押さえよう
輸入の際には、商品明細を記載した「インボイス(商業送り状)」が必要となり、これが課税価格の根拠になります。商品の品目や価格、数量などが正確に書かれていないと、通関で止められたり、過剰な課税がされてしまうこともあるので注意が必要です。
また、税関への手続きは個人でも行えますが、慣れていない場合は通関業者に代行を依頼するのが安心です。費用はかかりますが、税率の確認や書類作成まで任せられるため、初心者には強い味方になります。最初の数回は、プロに頼みながら流れを学んでいくのもおすすめです。
不安をなくすには「事前に知ること」が最大の武器
輸入ビジネスを始めるうえで最大の不安は、「よくわからないことが多すぎる」ことではないでしょうか。しかし、関税の仕組みや税金の計算、通関手続きなど、基本を事前に理解しておけば、その不安は確実に減っていきます。
特に初心者には、「少額からテスト仕入れをする」「実際に試算してみる」「信頼できる業者や代行サービスを活用する」などの小さなステップから始めることが重要です。不安をゼロにすることはできませんが、情報武装しておくことで冷静な判断ができ、継続的なビジネスの成功にもつながります。