越境ECでの決済トラブル防止とおすすめの決済サービス比較

「海外からの注文で決済トラブルが心配…」
「どの決済サービスを選べばいいのか分からない…」

海外向けECサイトの展開では、決済システムの選択は大きな課題です。言語や通貨の違い、法規制など、国内ECにはない複雑さがあります。

本記事では、越境ECで発生しやすい決済トラブルとその対策、おすすめの決済サービスを紹介、顧客サポートについても解説していきます。

トラブルなく安心して海外展開を進めるために、ぜひ最後まで読み進めてください。

目次

越境ECで発生しやすい決済トラブルと対策

オンラインショッピング決済イメージ

越境ECでは国内ECと比較して、さまざまな決済トラブルが発生しやすくなっています。
言語や通貨の違いだけでなく、詐欺やチャージバックなどのリスクが高まることもその要因です。

これらの問題を事前に把握し、適切な対策を講じることが重要です。

言語・通貨の違いによるトラブル

越境ECでは言語や通貨の違いによる混乱が頻繁に発生します。

お客様は自国の言語で表示されていないページや、見慣れない通貨での価格表示に不安を感じることがあります。こうした不安は購入の障壁となり、カート放棄率の上昇につながります。

対策

多言語対応の決済ページ設計と通貨自動変換機能の導入が必須です。

お客様の所在地に合わせて言語や通貨を自動的に切り替える機能があれば、スムーズなショッピング体験を提供できます。

為替レートや手数料も明示し、お客様が最終支払額を正確に理解できるようにしましょう。不明確な表示は後々のクレームやトラブルの原因になります。

クレジットカード詐欺・不正利用

海外取引では不正利用リスクが国内取引よりも高まります。

物理的な距離があるため、なりすまし購入や盗難カードの使用などの詐欺行為が発生しやすいのです。

こうした不正利用を放置すると、チャージバックによる損失だけでなく、決済サービスからのペナルティを受ける可能性もあります。

対策

3Dセキュア認証の導入、住所と郵便番号の一致確認、BINチェックなどの多層的なセキュリティ対策が効果的です。

短時間での複数注文や、配送先と請求先が大きく異なるなどの不審な購入パターンを自動検知するシステムも導入を検討しましょう。

チャージバック(支払い拒否)問題

国際取引ではチャージバックが頻発します。

これは商品未着や説明との相違などを理由に、顧客が決済会社に支払取消を依頼するものです。

チャージバックが発生すると、商品代金の損失だけでなく、調査手数料や決済サービスからのペナルティが発生することもあります。

対策

商品説明を正確かつ詳細に行い、顧客の期待値と実際の商品のギャップを減らすことが大切です。

また、配送追跡システムの導入で商品の現在地を把握でき「届いていない」というクレームに対応できます。

さらに、顧客からの問い合わせには迅速に対応し、トラブルを早期解決することでチャージバックのリスクを軽減できます。

為替レートの変動によるリスク

為替変動は越境ECの利益に直結する重要な要素です。

円安が進行すると海外からの購入者にとっては商品が割安になり売上増加につながる一方、円高になれば逆の現象が起こります。予測不能な為替変動は、ビジネスの収益性を大きく左右します。

対策 

固定レートを設定するか変動レートを採用するか、また為替手数料をどう設定するかなど、事業戦略に合わせた方針決定が必要です。

一定期間固定レートを採用する場合は、為替変動のリスクヘッジを検討することも重要です。また、決済サービスによって為替手数料やレート設定が異なるため、複数のサービスを比較検討し、コスト面でも最適な選択をすることがビジネスの収益性を守ります。

税関・関税に関連する問題

各国の関税や輸入税が顧客に追加で請求されると「隠れコスト」として顧客の不満を招き、返品や支払拒否の原因になります。

対策

購入前に関税や輸入税の発生可能性を明示することが重要です。

商品ページや決済ページに注意書きを入れるだけでも、後々のトラブルを大幅に減らせます。さらに一歩進んで、DDP(関税込み配送)オプションを提供することで、顧客は追加費用の心配をせずに購入でき、満足度向上につながります。

越境EC向けおすすめ決済サービス

オンラインショップイメージ

国際的に利用できる決済プラットフォーム、各地域に特化したサービスを紹介します。

越境ECを成功させるためには、ターゲット国の消費者が使い慣れた決済方法を提供することが重要です。自社に合った決済サービスを選ぶことで、顧客満足度の向上と売上アップにつながります。

国際決済プラットフォーム(PayPal、Stripeなど)

PayPalやStripeなどの国際決済プラットフォームは、複数の国や通貨に対応しており、越境EC初心者にも導入しやすいサービスです。

PayPal

世界200以上の国と地域で利用され、25以上の通貨に対応しているため、グローバル展開の第一歩として適しています。

Stripe

30カ国以上で利用可能で、135以上の通貨に対応しており、APIの柔軟性が高く、カスタマイズ性に優れています。

これらのサービスは比較的簡単に導入できますが、手数料体系をしっかり確認することが重要です。また、為替手数料も別途発生することがあるため、総コストを考慮して選択しましょう。

セキュリティ面では、両社とも詐欺防止システムを提供しており、不正取引のリスク軽減に役立ちます。

地域特化型決済サービス(Alipay、WeChat Pay、KakaoPay等)

アジア市場を中心に、各国で独自の決済サービスが普及しています。

中国市場ではAlipayとWeChat Payが決済シェアの約80%を占め、韓国ではKakaoPayが人気です。

これらの地域特化型サービスを導入することで、現地消費者の購買意欲を高め、カート放棄率を下げることができます。

顧客サポート体制の構築

オペレーターイメージ

越境ECでは決済に関する問い合わせが多言語で寄せられるため、適切なサポート体制の構築が不可欠です。

言語の壁を超えた効率的な顧客対応は、信頼獲得と売上向上に直結する重要な役割を担います。

多言語サポートの準備

主要な販売国の言語に対応したFAQページを用意し、よくある質問に自動で回答できる仕組みを構築しましょう。特に「支払方法の選択肢」「決済エラーの対処法」「返金手続き」などは必須の項目です。

チャットボットの活用

初期対応にはAIチャットボットの導入も効果的です。24時間対応が可能で、基本的な質問には即座に回答できます。

複雑な問題や感情的な対応が必要な場合は、人的サポートにスムーズに繋げる仕組みが重要です。

まとめ:安心できる越境EC決済の実現に向けて

越境ECでの決済成功には、予防的なトラブル対策と適切なサービス選択が鍵となります。

言語・通貨の違いによるトラブル、不正利用、チャージバックなどのリスクを理解し、事前に対策を講じましょう。

決済サービスは自社の規模や展開地域に合わせて選択し、導入前には契約条件やセキュリティ対応を確認することが重要です。

顧客サポート体制の構築と為替リスク対策も含めた総合的なアプローチで、海外顧客に安心して買い物してもらえるECサイトの実現を目指しましょう。

この記事を書いたひと

やまなかこうこ|Webライター

Web制作会社ディレクター、ECサイト運営ディレクターを経て、フリーランスに。
現在は、個人でECショップ運営、インスタグラム運用をしながらWebライターとしても活動しています。

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