ECサイトで商品を購入してくださったお客様に送る「サンクスメール」。
「発送通知と一緒に自動で送ればいいでしょ」なんて思っていた時期、私にもありました。
でもある日、あるお客様からレビューでこう書かれたんです。
「丁寧なメールが心に残りました。商品も素敵でしたが、お店の対応が一番の決め手です」 |
たった一通のメールで、ここまで印象を残せるのか…と驚きました。
私が以前、健康や美容食品のEC販売に関わっていた時は、サンクスメールをきっかけに「レビュー数アップ」「再購入率の向上」を実際に体感しました。
ただの事務連絡ではなく、「ありがとうの気持ちを伝える」コミュニケーションの場として活用するだけで、関係性がぐっと近づきます。
今回は、そんな“人の心を動かす”サンクスメールの書き方や、実際に反応の良かったフレーズを、経験者の視点から具体的にご紹介します。
1.心を動かすのは、たった一行の「ありがとう」
サンクスメールの冒頭はとにかく「感謝の気持ち」が主役。
シンプルですが、伝え方ひとつで印象が大きく変わります。
たとえばこちら。
このたびは数あるショップの中から当店を選んでいただき、本当にありがとうございます。 スタッフ一同、心より感謝申し上げます。 |
以前は「ご注文ありがとうございます」のみで済ませていたのですが、上記のように少し気持ちを込めた表現にしたことで、返信率やレビュー数がじわじわと伸びていきました。
→丁寧だけど堅すぎない文体を意識すると、親しみが伝わりやすくなります
2.お客様の“期待以上”を演出する「ひとこと」
感謝だけで終わらず、「このお店、ちょっといいかも」と感じてもらえる工夫がここ。
私が実践して効果があったのは、「ワンポイントアドバイス」や「季節の気遣い」を添えること。
例文:
季節の変わり目ですので、お身体に気をつけてお過ごしくださいね。 このサプリは、朝食後にお水と一緒に飲むのがおすすめです! |
→健康食品など機能性がある商品では特に有効です
ある時、メールにこの一言を加えたところ、数名のお客様から「丁寧な案内で安心できました」と個別の返信をいただきました。
「メール返信ってあるんだ!」と驚きつつ、リピート率が自然と上がっていったのも印象的です。
3.自然にレビューをお願いする方法
レビュー依頼は、ちょっとしたコツが要ります。
「書いてください!」と直接的にお願いすると、抵抗を感じる方もいます。
私がよく使っていた表現はこちら:
よろしければ、商品を使ったご感想をお聞かせいただけると嬉しいです。 皆さまの声が、今後の商品づくりのヒントになります。 |
→「お願い」よりも「お客様の声が必要」という表現が共感を得やすいです
実際に、レビュー率が2割から4割にアップした月もありました。
さらに、「他の方の声を参考にして買ったので、自分も書きます」という方も。これは本当に嬉しかったです。
4.リピートへのやさしい導線
EC運営において“継続してもらう仕掛け”は重要ですが、押し売りはNG。
自然な流れで次のステップを案内できると、印象を損なわず売上にもつながります。
例文:
ご好評につき、定期便サービスのご案内も始めました。 ご興味があれば、ぜひチェックしてみてくださいね。 |
→強引さを感じさせずに導線を提示できるポイントです
私の経験では、初回購入後にこの文を入れたメールを送るだけで、定期便申し込み数が月5件ほど増えました。
広告費をかけずにここまで効果があるのは、まさに“サンクスメールマジック”。
注意点:やりすぎは逆効果!自然体がカギ
・文章が長すぎる
・テンプレ感が丸出し
・絵文字多用や敬語の乱れ
…こうした要素は、せっかくのメールの印象を下げてしまいます。
サンクスメールはあくまでも「気持ちを届ける」もの。
300〜400文字前後を目安に、あたたかく、けれど読みやすい文にするのがベストです。
→画像付きの場合は文字数控えめでもOK
特に初心者の方は、自動送信機能に頼りすぎず、「文のトーン」や「一言の気遣い」を自分でコントロールしてみることをおすすめします。
まとめ:サンクスメールは「ファンづくり」の第一歩
ECショップにおけるサンクスメールは、単なる通知ではなく、ショップの“顔”とも言える存在。
顔の見えない販売だからこそ、たった一通のメールでお客様の心に届く「ありがとう」を伝えることが、リピーターやファンを生むきっかけになります。
今までメールは機械的に送っていた…という方も、ぜひ次の発送から試してみてください。
あなたの気持ちが、きっと伝わりますよ。
【参考データ一覧】
・経済産業省|令和5年度 電子商取引に関する市場調査
・日本通信販売協会(JADMA)|通販業界の現状と信頼性調査
・LISKUL|ネットショップのリピーター獲得術