クレーム対応、嫌ですよね。
特にECサイトは、お互いの顔が見えないため、お客様からのご意見が届きやすく、対応に悩むケースも少なくありません。
運営側も、つい対応に迷いが生じてしまうこともあります。
しかし、粗末な対応をとると、悪評が広がってしまいます。
とはいえ、ご安心ください。
クレーム対応は一見大変なことばかりですが、対応次第でECサイトを成長させるチャンスにもなります。
実際に、1980年代初頭に提唱されたグッドマンの法則では、「クレームに誠実に対応することで、顧客との関係性を強化し、結果として収益向上につながる」ということが示されています。
(出典:グッドマンの法則とは?クレーム対応で顧客満足度向上へ。活用事例も紹介)
本記事では初心者でもわかりやすく、ECサイトのクレーム対応の基本手順と、よくあるケース別対応例をご紹介します。
1.初心者必見!クレーム対応基本の5ステップ
どのようなクレームでも、以下の手順で行うことが基本です。
以下、各項目の詳細を解説します。
①まずは落ち着く
クレームを受けて、一番大事なのは冷静になることです。焦って感情的な対応をしてしまうと、状況を悪化させるおそれがあります。
まずは深呼吸をして平常心を取り戻しましょう。
②謝罪を伝える
自社に明確な非がない場合でも、お客様が不快な思いをされたことには変わりありません。
たとえお客様の勘違いであっても、共感する言葉をかけることが大切です。
誠意を持って、謝罪をしましょう。
③事実確認をする
実際に何が起きたのか、詳しく聞き取りましょう。
仮に自社に非がなくても、今後の改善のヒントになるので細かく把握しましょう。
④対応策を提案する
複数の選択肢を用意し、お客様に選んでもらいましょう。
また、お詫びの品やクーポンをつけることで誠意が伝わります。
ただし、すべてのクレームに対応する必要はありません。厚生労働省では、悪質なクレームは運営側にとって「精神的な負担が大きく、業務のパフォーマンスが低下することをはじめ、深 刻な場合には健康不良や精神疾患を招き、休職や退職に繋がる」場合があると定めています。
(出典:【厚生労働省】カスタマーハラスメント対策企業マニュアル)
悪質なものには毅然と対応しましょう。
⑤今後の改善策を考える
自社のミスの場合は改善、そうでない場合でも、注意書きやわかりやすい表記で再発防止を図りましょう。
以上が、クレーム対応の基本手順です。これらの手順を意識すれば、スムーズに対応することができます。
2.こんな時どうする?よくあるクレーム対応例
ここでは、実際よくあるクレームの対応例を、上記の基本手順に沿ってご紹介します。
※「①まずは落ち着く」は詳細がないので省略します。
【不良品が届いたとき】

②謝罪を伝える
以下のような文言で誠意の伝わる謝罪をしましょう。
「このたびは、ご買上いただいたのに、ご迷惑をおかけし、申し訳ありません」
③事実確認をする
どのような不良なのか、詳細を聞きましょう。
④対応策を提案する
返品、交換、返金などの複数の選択肢を用意し、お客様に選んでもらいましょう。
また、可能であればお詫びの品やクーポンをつけましょう
⑤今後の改善策を考える
検品をWチェックにするなどの強化をしましょう。
梱包方法に問題がある場合は改善しましょう。
以下のような注意書きが必要であれば付け足しましょう。
「素材の特性上、小さな傷があることも」
ーーー体験談ーーー
友人が運営するECサイトでは、不良品発生時に以下のような対応策を明記したことで、クレーム数が半減しました。
【配達日に届かないとき】

②謝罪を伝える
以下のような文言で誠意の伝わる謝罪をしましょう。
「このたびはご迷惑をおかけし、申し訳ありません。配送会社に確認の上、再度ご連絡します。」
③事実確認をする
お客様ご自身で配送会社に問い合わせを依頼することは、不親切な印象を与える可能性があります。責任を持って自社から確認しましょう。
④対応策を提案する
到着の遅延の場合は連絡をしましょう。
謝った商品の発送等の場合は、商品の無料再送をしましょう。
⑤今後の改善策を考える
配送会社のミスであれば、配送会社と課題を共有しましょう。
自然災害や繁忙期等で遅延の可能性がある場合は、注意書きを載せましょう。
自社のミスの場合は、再発防止のための対策を考えましょう。
ーーー体験談ーーー
友人が運営するECサイトでは、お届けまでお時間頂く可能性がある場合は、アナウンスをすることで、クレームが約70%減りました。
イメージと異なる商品が届いたとき

②謝罪を伝える
以下のような文言で謝罪を伝えましょう。
「ご不便をおかけしてしまい申し訳ありません」
③事実確認をする
どの点が異なると感じたのか詳しく聞き、返品や返金に対応するか判断しましょう。
④対応策を提案する
返品や返金に該当する場合、提案しましょう。
商品に問題がなく、お客様のイメージ違いの場合は、お客様が送料を負担する場合が多いです。
⑤今後の改善策を考える
以下のような注意書きを付け足しましょう。
「商品によっては、色味が異なって見える場合があります。」
「イメージ違いによる返品の送料はお客様負担」
商品写真を見直しましょう。
ーーー体験談ーーー
友人が運営するECサイトでは、実際にお客様が着用した写真をSNSに投稿したことで、イメージ違いによるクレームが激減しました。
3.まとめ
本記事の要点は以下のとおりです。
・どんなクレームでも、謝罪や相手の言い分を丁寧に聞くことが大切
・すべてのクレームに対応する必要はない
・繰り返さないために、改善策を考えて今後に活かす
以上、クレーマー対応の基本手順とケース別対応例を紹介しました。
いざという時、本記事の内容を思い出してクレームに対応しましょう!
【参考】
・友人のECサイト「.beige(ドットベージュ)アクセサリーショップ」」https://dotbeige.base.shop/(最終アクセス2025/05/01)
・グッドマンの法則とは?クレーム対応で顧客満足度向上へ。活用事例も紹介
https://digital.toppan-colorer.co.jp/column/cx/2998/?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス2025.05.01)
・厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」https://www.mhlw.go.jp/content/11921000/000894063.pdf(最終アクセス2025.05.01)